我ら日本人お馴染みのサミティべート病院と、バンコクの子育てサークルひめママが主催するイベントに招待されて行ってきました!
なんとこれ、タイの小児科にかかって疑問に思ったことを、日本のお医者さんに聞いちゃおう!という、タイで子育てするママなら誰もが気になるイベント。
「サミティベでこんな風に言われたけど、日本のネットでは違うことが書いてある。どうゆうこと?タイだから?」って思うことって、ありませんか?
サミティべート病院の小児科・新生児科と提携する大阪の高槻病院。
そこで小児科医をされている榎本真宏先生と、奥様の未織先生に、そんな疑問の数々をぶつけてきました。
で、今回の会で出てきたママたちの質問と、それに対する榎本先生の回答を、全部まとめて当記事でシェアしちゃいます!!
私自身、かなり学びの多かったこのイベント。参加できなかったママたちにも、新しい発見があれば嬉しいです。
Contents
疑問に回答していただく先生
まずは、私たちの疑問に答えてくれる、榎本先生ご夫妻についてご紹介させていただきます。
ご夫婦ともにお医者様なんて素敵すぎます!!
榎本真宏先生
※似ていませんが、当記事ではこのイラストで紹介させていただきます。
神戸大学医学部博士課程修了。日本アレルギー学会専門医。日本新生児学会専門医。小児アレルギー、新生児分野の臨床専門医として第一線で活躍する一方、神戸大学医学部小児科や世界的に高名なカナダのトロント小児病院などで行なっている小児医学研究分野でも数々の表彰を受けている。
穏やかな語り口調で、分かりやすく答えてくれる榎本真宏先生。
この会では、「まさ先生」と呼ばれていました!!
榎本 未織先生
※似ていませんが、当記事ではこのイラストで紹介させていただきます。
東京慈恵会医科大学、ハーバード医科大学卒業。医学博士。日本小児科学会認定小児科専門医。
まさ先生の奥様。1歳9ヶ月の男の子のママをされているそう。語り口調から優しさが溢れていて、かつ的確に私たちの疑問にお答えいただきました!
この会では、「みお先生」と呼ばせていただくことに。
では早速、まさ先生とみお先生に色々聞いていきましょう!!
タイで出される薬のこと
抗生物質
タイでは、子どもが病気になったときに1週間〜10日分の抗生物質を出されることが多いです。
これ、けっこう多く感じちゃいますよね。
私も「見た目には治ってるのに、本当に全部飲みきらないといけないの?」と何度も思ったことがあります。
抗生物質は、細菌の感染に対して効果があります。ですので、細菌が原因である肺炎・胃腸炎・中耳炎などの病気に対して処方されることが多いです。
細菌は、最後まで完全に殺す必要があるので、見た目に治っているからといって中途半端に抗生物質を飲むのをやめると、ぶり返す可能性があります。
もし、副作用が心配であれば、「抗生物質を飲むと子どもが下痢をするんだけれど、まだ飲み続ける必要があるか?」などと主治医の先生に相談してください。
咳止め薬
このお母さんは、咳き込んで寝られないお子さんがかわいそうで、病院で咳止めをお願いしたものの、先生からは「ない」と言われたそう。しかも3つの病院で。
タイには子ども用の咳止め薬はないのでしょうか?
結論としては、子ども用の咳止め薬は存在します。
ただ、「安易に咳を止めるのは良くない」という考えられているようです。
咳は本来、異物を排除するための体を防御する反応なので、無理に止めるのは好ましくないときもあります。
また、咳の原因にもより、肺炎による咳や、持続的なアレルギーによる咳を止める薬は存在します。
逆に、乾いた咳は、積極的に出すのが良いとも言われているそうです。
たんがからむ咳には、咳止めではなく、去たん薬が出されることもあります。
世界的に見ても、日本が咳止めを出し過ぎなのかもしれないと、まさ先生は話していました。アメリカでもあまり出さないそうです。
漢方
漢方の中には0歳から飲める漢方薬もあります。
ただ、漢方薬の効果を表す明確な研究データがないので、小児科医としては特にオススメはしていないそうです。
そもそもタイで漢方薬を手に入れるのは難しいんですけどね。中華街では売ってるかもしれません。
余談ですが、タイだと漢方の代わりにタイハーブが売られています。
例えば、風邪の引き始めなどに使われる「ファータライジョン」というタイハーブは、タイではわりとメジャーですよ。どこの薬局でも手に入ります。
子どもの病気について
中耳炎
中耳炎は、なりやすい子は本当によくなるそうです。
中耳炎の対処療法としてオススメなのが、サミティベ病院でお馴染みの鼻うがい。日本ではポピュラーではありませんが、まさ先生は「良いな」と思っているそう。
お子さんによっては、気持ちよくて自分から「やってほしい!」という子もいるそう。
鼻吸いもやってあげるといいですね。
貧血
タイでは生後9ヶ月頃に、貧血しているかを調べるため血液検査をします。
私の娘もやりましたが、赤ちゃんの採血って、小さい手に太い注射針を刺して、どうしてもかわいそうに思えちゃうんですよね。
そもそもこの検査って必要なんでしょうか?
結論、日本人には絶対に必要という訳ではありません。
タイ人は、遺伝的にサラセミアという貧血の病気になりやすいんです。なので、その病気に該当しないかどうかを赤ちゃんの頃から検査します。
ですが、日本人は、あまりこの病気とは縁がありません。
また、貧血と診断されても、治療が必要なレベルまで深刻なことはほとんどありません。そのときに異常値が出ても、日々の生活で正常値まで戻ってくることが多いそう。
お子さんの様子を見て、大丈夫そうであれば、この血液検査は無理にする必要はなさそうです。
アレルギー
あえて対策をするなら、お子さんの様子を見ながらセカンドオピニオンを取ったりするのが良さそうです。
子どもの発達について
歩く時期
このお母さんの息子さんは、サミティベ病院のお医者さんに、「1歳3ヶ月で歩けないのであれば発達の先生に見てもらった方がいい」と言われたそう。
で、診察してもらったけど、「とりあえず様子を見ましょう」で終わったとのこと。
発達の先生が何を見ているかというと、「病気で歩けないのか?それとも、個性でまだ歩かないのか?」という2点です。
ですので、診察では病気の可能性を一つずつ潰していくことになりますが、それには段階が必要です。
何か対策が必要であれば、発達の先生がアドバイスをしてくれるので、必要以上に焦って何かすることはありません。
様子を見ているうちに歩くようになったというケースがほとんどです。
歯の生える時期
早い子は生まれたときから歯が生えているし、遅い子は1歳でも生えてない子もいるとのこと。心配することはありません。
ただ、離乳食の柔らかさは、歯の生え具合に合わせてあげましょう。
乳幼児健診
日本で3歳児健診をしてもらおうと、小児科に問い合わせをしたけど、一般的な診察はできるけど視力検査などは出来ないと言われたママさん。
ただ、本来であれば住民票がなくても受付可能な病院はあるそう。一番手っ取り早いのは、健診外来のある病院に問い合わせてみること。
ちなみに乳幼児健診は、サミティべート病院でも依頼すれば受け付けてもらえます。
日本のようにお知らせがないので、自分で管理する必要がありますが、「誕生月が来たら病院に行く」とルールを決めると忘れにくいですよ。
水を飲んでくれない
子供が水分を取ってくれないと、暑いタイで心配になっちゃいますよね。
みお先生がオススメするのは「だし」
だしだと、ほんのり味がするので飲んでくれることも多いみたいです。また、だしの味を知ることは、食育にもなるんだそう。
水を飲みすぎる
今度は逆に、水を1日に3リットルも飲む子の話。
日中の活動時間に水を欲しがるのはそこまで問題ではありませんが、寝ているときにも起きて水を欲しがるのはちょっと気になるかも。
一度診察を受けて、尿検査などをしてみることをオススメします。何か隠れた病気が見つかるかもしれません。
その他
通訳
病院曰く、外来では1日に約400人の日本人患者さんを診るので、どうしても難しい部分はあるとのこと。
ただ、まさ先生がおっしゃるに、海外に出て日本語通訳がいる事自体が凄いこと。他の国だと、英語必須なことも多い。
もし、どうしても意思疎通が取りづらければ、聞きたいことを事前に英語(タイ語)でメモしていくことも一つ。
サミティベ病院の先生方は、英語はどの先生も使いこなせます。
まとめ
以上、サミティべート病院で開催された「小児科の榎本先生に何でも聞いちゃおう!の会」レポートでした。
当日の会場は、赤ちゃん連れでも大丈夫なように、全面マット敷きでオモチャもたくさん。
タイ料理やサンドイッチ、コーヒーなど、食べ物も用意されていて、これが無料のイベントだなんて信じられませんでした。
ここは便利といえど、異国の地タイですので、子どもの病気で疑問に思ったことを日本語で聞ける機会ってなかなかないですよね。
この会で、榎本先生ご夫妻に色々と質問することができて、とても勉強になりました。
非常に有意義な会だったので、是非次回開催を期待したいと思いますヾ(´∀`)ノ
※2022年9月現在:1バーツ=約3.9円
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