こんにちは!Sunnysideです。
タイ旅とバンコク街歩きが大好きで、夫と2人の子どもたちとタイ国内を色々と巡り、77県中76県を訪れました。
今回は、ターク県で行われるロイクラトン祭りをご紹介します!
毎年陰暦12月(新暦10月~11月頃)の満月の夜にタイ全土で開催されるロイクラトン祭り。
バナナの葉で蓮の花を象った灯篭(クラトン)を作り、川に流す(ロイ)ことから、そのように呼ばれます。
ロイクラトン祭りというと、タイ在住の方はバンコクかチェンマイで過ごされる事が多いと思いますが、「タイ全土で開催」なーんて言われると、どこでどんな風に祝われているか気になりませんか?
タイ国政府観光庁の記事「タイで最も美しい祭り「ロイクラトン祭り」を巡る」によると、タイで有名なロイクラトン祭りとしては、まずはバンコク。
で、ターク、サムットソンクラームと続いています。
というわけで、まずはターク県のロイクラトン祭りがどんなだか見に行ってきました!
ロイクラトンの満月の夜、月が映り込むピン川に無数の灯篭が流れる姿は、本当に幻想的ですよ!
2022年は、11月5日(土)~8日(火)に開催決定!
※予定は変わることがあります。
※参加した年は新型コロナウィルスの影響により、例年の催しに比べて規模が縮小されたものになっています。
ターク県とロイクラトン祭り会場の場所と行き方
ターク県はバンコクから北西に420km程の場所にある、北タイの県の一つです。
東はスコータイに、そして西はミャンマーとの国境に多く接している、山がいっぱいのエリア。
カレン族、モン族、リス族などの少数民族が住み、タイ国の英雄であるタクシン大王の出身地でもあります。
バンコクから、タークへの行き方は主に下の2つです。
飛行機で行く
ドンムアン空港→メーソット空港(所要時間約1時間10分)→ターク市内(約1時間40分)
※ターク空港もありますが現在は運航便はありません。
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長距離バスで行く
バンコク北バスターミナル→ターク(所要時間約7時間)
メーソット空港の航空便は少なく、そこから市内までもそれなりに距離があるため、スコータイやピサヌロークから車で移動するといった手段もあります。
お祭りが行われるのはターク市内中心、ピン川にかかるソムポート クルン ラタナコーシン橋(ラッタナコシーン200年メモリアル橋)の付近で行われます。
タークは市内中心でも、のどかな街並み。
これまでも色々な県を回りましたが、市役所がある中心地でこれほど静かでのんびりしている雰囲気は、なかなかお目にかかれません。
ショーが行われる会場には椅子が並べられていました。
印象的だったのはピン川。
ピン川はチェンマイを水源として北タイを中心に流れる河川で、チャオプラヤー川の主要な支流の一つ。
山々から流れているためか、タイの河川の中では水が澄んでおり、流れている姿を見るととても清々しい気持ちになりました。
チャオプラヤーやメコンの悠久の土色の川もすっかり好きになったけど、やっぱり澄んだ水に親近感を覚える日本人
ソムポート クルン ラタナコーシン橋は吊り橋なので、橋の上はかなり揺れます。
子供たちが怖がったので対岸までは渡りませんでしたが、日没時はとても美しい景色を見せてくれそうでした。
1,000個の灯篭が流れる幻想的なロイクラトン祭り
それではお祭りの様子をお伝えしていきますね!
※私たちが参加した年は、新型コロナウィルスの影響でイベントの開催内容や時間に制限がありましたので、例年はもっと盛り上がり、イベントがあると思われます。
暗くなってくると、少しずつ明かりがともされ、人が集まってきました。
ピン川のほとりに長く伸びる道路に沿って、ショーが行われる場所まで歩いていきます。
ショーが行われる会場。この飾りを見るとロイクラトン祭りに来たな~という気持ちになりますね。
日没直後の黄昏色の空に、ライトアップされた橋がとても美しかったです。
ロイクラトンのためとはいえ、遠くまで来たなあとしみじみ
ショーが始まるまでまだ時間があったので、先に灯篭(クラトン)を流すことにしました。
タークのロイクラトン祭りは、このココナツの殻で作った独特の形の灯籠を流すのが特徴。色々と飾り立てない分、優しい印象を受けました。
いかにも「どんぶらこっこ」と流れていきそうな造形!
その他にも沢山の種類のクラトンが売っていて、どれを買おうか迷ってしまう、市場散策の様な楽しさがあります。
ピン川には何か所か下まで降りられる場所があります。上流部分である橋の北側から流す人が多かったです。
それでは浮かべるか!とクラトンを川に捧げると、あれよあれよという間に流れていきました。
流してみて気づきましたが、ピン川は意外と流れが速い!
これまでクラトンを浮かべるのは池だったり、川ではあるけれど流れずに他のクラトンにぶつかったり…ということばかりだったので、どんどん流れ小さくなっていく姿を見るのが新鮮!
ロイクラトン祭りは、川の女神プラメー・コンカに、川の恵みの感謝を捧げるために行ったのが始まりと言われていますが、今回初めて自分のクラトンは女神さまに届くんじゃないかと思いました。
ローイする(流れる)クラトン、逆に新鮮!
ちなみにお祭り会場は公園の部分もあるので、大がかりではないですが遊具がありました。
子供たちが飽きたら遊びに連れ出すことができたので助かりました。
さあ、会場に戻るといよいよショーの開始!
例年だとクラトン作品の表彰や舞踊などが行われるようですが、この年は音と光のショーのみ。それでもとても華やかでした!
そして、お!会場に大きなクラトンが運ばれてきました。お祭りでよく装飾用に置かれているやつですね。
と思ったら、台座に乗せて流した~???
どうやら灯篭流しの前と後にこの大きいクラトンを流すというのも伝統のようです。
これはさすがに自然には還らないでしょうから、下流のどこかで回収するんでしょうかね。
それ流すんかーい!と突っ込みたくなる大きさ。どでカトンと名付けよう
そしていよいよ灯篭(クラトン)流しが始まりました!
タークのロイクラトンは、お祭りの最後に赤い装束を着た人たちが、いっせいに1,000個ものクラトンを次々と流すのが特徴です。
先ほどお伝えした通りピン川の流れが速いので、リズムよく川に浮かべられたクラトンは次々と下流へと流れていきます。
静かな音楽に包まれて炎の列がだんだんと長くなっていく姿、何とも美しい。
下流に目を移すと、川の形に沿ってでしょうか、光の道が延々と続いていました。神の世にも常世にも繋がっていきそうなクラトン。
私は日本人なので、灯篭流しとして祖父母や祖先にも思いを馳せました。
音楽のリズムは流す方たちを鼓舞するように、段々とアップテンポに。曲が何度も変わります。
この流す方たち、途中交代はありません。
1,000個って、改めて考えるとかなりハードワークなんじゃないでしょうか。
500個を越えたあたりから数えるのをやめたのですが、子供たちは段々と応援モードに。
998…、999…、1,000!ようやく1,000個流し終わりました!
最後の方はへとへとなのが伝わってきて、こちらも手に汗握りながら終わりを見守りました。
最後のよっしゃ~!終わったぜ!のポーズが印象的!
頑張った皆さんは拍手に見送られながら退場していきました。お疲れ様!
最後はもう一度、どでカトンを流して終了です。
皆が家へと帰っていく帰り道、ふと名残り惜しくて後ろを振り返ると、光の道がまだまだ続いていました。
この大量のロイクラトン、きっとピン川の下流の町でも、時間差で流れてくるんだと思うんですよね。
満月の夜、この光の便りを楽しみにしている町の子供たちも沢山いるのでは?と思いました。
この景色は何年たっても忘れないと思います。
ターク県のその他のみどころ
プミポン・ダム
プミポンダムはターク市内から車で一時間ほどの場所にある、アーチ式コンクリートダムです。
公式Webサイトによると、タイで初の多目的ダムで、 以前はヤンヒーダムという名称で知られていました。その後1957年7月25日、プミポン前国王が自らダムの名前を「プミポン ダム」と名付けられたそうです。
曲率半径250メートル、高さ154メートルということで、日本の黒部ダムが高さ186メートルなことを考えると、なかなかの大きさですね。
水をせき止めている側と放流側と、視界の左右で水の高さが何十メートルも違うというのは不思議な光景でした。
この日は放水していなかったのですが、それでも吸い込まれるような高さで、ちょっとクラクラ。
そしてタイあるあるなのかもしれませんが、塀が低い!!!
男性の腰上くらいまでの高さしかなくて、間違えて落ちるということはなくても、行こうと思えばひょいって行ける?高さなんです。
色んな意味で迫力あった。
近くにはプミポン前国王の肖像画と、黄色い花の花壇がありました。
偉大な王の名を冠したダムがターク県にひっそりとあるというのはいいですね。
ちなみに平日に1日2回、土日祝日には1日4回、ダムを周遊する無料のトラムがあるようです。乗ってみたかったな。
ワット プラボロムタート
ワット プラ・ボロムマタートは、ターク市内から車で約30分のところにあります。
ちょうどプミポンダムと市内の真ん中くらいにありますので、立ち寄りにちょうどいいかと。
黄金の仏塔が青空に映えていました。こちらはミャンマーのヤンンにあるシュエダゴン・パゴダを模して作られたそうです。
ターク県の中ではかなり有名なお寺のようで、たくさんの方が参拝に来ていました。
国境の町メーソット
メーソット(メーソート)は、ターク市内から西に車で約1時間半ほど行った場所にある、ミャンマーとの国境の町。メーソット空港もこちらにあります。
ミャンマーの文化の影響を色濃く受けており、趣のあるお寺がありそうだったのですが、いかんせん遠すぎました。
国境の町、行きたいけど大抵遠いのよね。当たり前だけど
ターク県のロイクラトン祭り まとめ
いかがだったでしょうか。
ロイクラトンの満月の夜、月を背にピン川に流れる無数のクラトンを見ていると、無性に切なさがこみ上げてきました。
お祭りの機会でもないと、なかなか訪れることのない街だと思いますので、地元に息づく静かなロイクラトン祭りを堪能したいなという方にお勧めです。
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